低迷の原因②

今年は大久保打撃コーチの指導のもと、長打が増え打率も上がるなど、打線は比較的強力だったかと思います。
ですが、勝負弱さというのか、ここぞで点が入らない、リードしても中継ぎが崩れてひっくり返される。

粗いバッティングをするブリンソンがよくわからないところで大逆転HRを打ったりするなど、
一発攻勢で派手な点の取り方をするというのが今年の巨人打線の印象です。
ですが、どんなホームランバッターでも毎回長打が打てるわけじゃないのがバッティングの難しいところ。

原監督は「野球は点取りゲーム」と仰っていたようですが、
野村克也氏や落合博満氏としては、「野球は点を取られなければ負けることはない、打線は水物」というのが彼らの野球哲学。
私もノムさんや落合さんに同調します。

ここ数年の原采配からは、1点を大事にする野球、1点を確実に取りに行く采配、1点を積み重ねていく姿勢が以前よりは見受けられませんでした。
もちろん、原監督の胸中には、投手陣に不安があるからたくさん点を取りたい、
1点や2点のリードじゃ不安だ、という気持ちがあったと思います。
毎試合多くの点を取れるのであれば、それでいいのだと思いますが、そうはいかないのが野球の難しさであり面白いところでもあります。
ましてやエース級が相手だと、頑張っても1点取れるか怪しい。そういう状況で欲しい1点が取れるかは、普段から1点を大事にし積み重ねる
野球を意識して継続出来ているかにかかっていると思います。
巨人の投手陣が豊富で強力だった時代は、原監督も徹底的にバントなどで得点圏に進めたりして相手にプレッシャーをかけ、代走鈴木で1点をもぎ取る野球
をされていたので、今年はチーム事情によるところが大きかったと思いますが、
阪神の岡田監督は対照的に、1点にこだわるという自らの野球観を選手たちに伝えた上で、四球でも塁に出ることを心掛けさせ、
どんどん繋いで点を積み重ねる野球を実践していました。それも強力投手陣の存在があってこそ、と言われればそれまですが…


阿部監督にはキャッチャーとしての豊富な経験を生かして、投手王国を再建し、緻密な野球を実践して、強い巨人軍の野球をまた見せてもらいたいです。